特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
6.内分泌疾患
■精巣および性機能障害
【性機能障害】
80.射精障害を呈する患者です。対処と処方について教えて下さい。
上原 徹
1
1医療法人立川メディカルセンター市川綜合病院泌尿器科
pp.289-292
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100288
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クエン酸シルデナフィルをはじめとしたphosphodiesterase TypeⅤ阻害薬が勃起障害患者にとって非常に大きな恩恵をもたらした一方,性機能の充足として重要な射精障害についての診療に対しては,未だ明確な方針がないのが実状である。従来,男性性機能は,性欲,陰茎勃起,腟内挿入,射精,極致感の5つの要素があって初めて充足されるとしていたが,射精障害の研究は勃起障害ほど進展しているとはいい難い。また,射精障害によりパートナーが妊娠に至らず,夫婦間の重大な問題となる場合がある。この分野でのクエン酸シルデナフィルの登場のような画期的な成果が求められる。
1 診療の概要
1.射精のメカニズム
射精は,精巣上体尾部および精管膨大部に貯留された精子が,前立腺液,精囊液などとともに急速に外尿道口から体外に射出される現象である。それは,内尿道口の閉鎖,後部尿道への精液の排出(seminal emission),精液の外尿道口から体外への射出の3つの要素から成っている。
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