特集 泌尿器科外来ベストナビゲーション
1.尿路・性器の炎症性疾患
■非特異性感染症
【膀胱炎】
1.受診時ごとに検尿を調べると膿尿を認める車椅子生活の高齢患者です。不定期に抗生物質を投与しましたが効果がありません。対処と処方について教えてください。
鈴木 九里
1
,
五十嵐 一真
1
,
関根 英明
2
,
石井 延久
3
1日産厚生会玉川病院泌尿器科
2帝京大学医学部附属溝口病院泌尿器科
3東邦大学医学部泌尿器科
pp.17-18
発行日 2008年4月5日
Published Date 2008/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101377
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1 診療の概要
膿尿とは尿沈渣法で,白血球数≧5WBC/HPF,または非遠心尿を用いる計算盤法(chamber method)で,白血球数≧10WBC/mm3と定義されている1)。女性および包茎の男性は,外陰部の分泌液などによる尿汚染が生じる場合があるので,採尿前に陰部を清拭綿等でよく清拭する必要がある。簡易的には中間尿採取法で行う。設問の患者では,カテーテルで尿を採取したほうがよいと思われる。
また,患者は車椅子生活を強いられている高齢者であるので,何らかの基礎疾患を考慮しなければならない。脳血管障害,脊髄疾患,糖尿病などによる神経因性膀胱や尿路結石,前立腺肥大症,尿道狭窄,尿路悪性腫瘍,尿路系カテーテル留置などの合併も考えられる。これらの場合,細菌はバイオフィルム2)を形成し,難治性の膿尿,細菌尿の原因となる。
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