小さな工夫
アウトドアチェアを応用した女子自己導尿法
森 久
1
,
伊藤 淳
2
1名古屋徳洲会総合病院泌尿器科
2名古屋徳洲会総合病院在宅医療科
pp.453
発行日 2003年5月20日
Published Date 2003/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100908
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女子自己導尿は簡単なようで難しい。難しいところは外尿道口にカテーテルの先を導くことである。その後のカテーテルの挿入は男子と違い,スムーズである。われわれは,女子外尿道口をいかに簡便に観察でき,また自己導尿できうるかを試行錯誤した。
アウトドアレジャーなどで使用される合成樹脂製の椅子に,個々の患者に座ってもらい,最大に股を開いてもらう。その股の間の椅子の底部の部分を三角形に切り取る(図1)。簡単に切り取れる点がこの椅子の利点である。すなわち個々の患者の体形に合わせることができる。次に患者は足底部の高さを,無理が生じない程度に高く置いて座る。足は両側でも片足のみでもよい。この体形の利点は,外尿道口が通常に座るよりも前方移動し,しかも水平化することである。すなわち,外尿道口が観察しやすくなる。一方,椅子の底部の前方を切り取る利点は,股間の前方が空間化しているため視野を遮るものがなく,椅子の下からでも鏡を通して,上方からの患者の視線で簡単に外尿道口が観察されうることや,股間部の前方が上下に広くなり,遮るものがなくなるため導尿時の操作が容易になる(図2)ことである。
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