小さな工夫
間歇自己導尿のための女子用金属カテーテルの工夫
高木 隆治
1
,
佐藤 昭太郎
1
1新潟大学医学部泌尿器科学教室
pp.1027
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203698
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間歇自己導尿法は神経因性膀胱に伴う排尿障害に対する処置として重要な手段になつている。特に女子の尿失禁の対策として大きな適応があると思われる。しかし,これまでは非無菌的でよいという点が強調されすぎたきらいがあつた。一生涯この処置を必要とする可能性を考えるとき,簡便さを保ちつつ,清潔に施行されるにこしたことはない。この観点より,種々のカテーテルが考案されてきた。女子用金属カテーテルに関しては,本邦では岩坪ら1)がSIC式カテーテルを開発しているが,われわれは図に示すような自己導尿用の女子用金属カテーテルを試作してみた。これは,Bruijnenら2)のカテーテルを更に改良したものである。このカテーテルは,オールステンレン製,全長15.5cm,外径Fr.14で,先端近くに2個の側孔があいており,また先端より7.5cmの位置に直径4cmのストッパー兼鏡がついており,これが尿道口を確認することにも利用される。近位端をやや太くし,症例によつてはラテックス製カテーテルと接続できる。また把持の一部に穴があいており,鎖をつけて,トイレなどのハンガーにかけることもできる。オールステンレス製であるため,煮沸可能である点と,片手で操作できるので,慣れればほぼ無菌的操作が可能になる。ただ尿道あるいは膀胱の損傷には十分気をつける必要がある。その意味からは対麻痺の女子で,病気に対する理解があり,また尿道口を確認しやすい患者が主に選択される。
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