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特集 泌尿器科ベッドサイドマニュアル
Ⅱ ベッドサイド処置の実際
015 自己導尿
Self-catheterization
窪田 泰江
1
Yasue Kubota
1
1名古屋市立大学付属病院泌尿器科
pp.88-92
発行日 2012年4月5日
Published Date 2012/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413102673
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[1]目的と適応
自己導尿とは,カテーテルを尿道から膀胱へ患者本人が挿入し,膀胱に貯留した尿を体外へ排出する治療である。患者本人でこの操作ができない場合は介護者が行い,間欠的導尿という。小児においても両親など介護者による間欠的導尿が必要になる症例もある。神経因性膀胱による排尿障害や,前立腺肥大症などの下部尿路閉塞,骨盤内の手術後で残尿が多い場合など,すべての排出障害において適応となる(表1)。自己導尿は患者にとって煩わしい作業であるが,尿失禁の改善,腎機能保持,尿路感染症のコントロールなど,メリットも多い。オムツ内排尿による皮膚かぶれや尿臭も解決でき,カテーテル留置による行動の制限などもなくなるため,喜ばれることもある。また自己導尿は他人に知られることなく,トイレなどで行うことができるので,排泄に関するプライバシーが守られる。ただ自己導尿を継続するには,患者の病態に関する理解が不可欠である。そのため,患者にはなぜ導尿が必要なのかをしっかり説明し,理解してもらうことが重要である。
カテーテルには再生タイプ(図1)とディスポタイプ(図2)があり,どちらを選択しても医学的な差はない。両者を組み合わせて使用することも可能で,個々の患者の利便性を考慮し,選択してもらう。病態により,夜間多尿や夜間頻尿の患者の場合,夜間何度も導尿をしないといけない場合がある。夜間頻回の導尿により,睡眠障害などがある患者の場合は,ナイトバルーン(図3)による対応も可能である。ナイトバルーンは導尿用カテーテルに留置用カテーテルが付属されているカテーテルで,夜間のみ膀胱内にカテーテルを留置する。
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