交見室
ベノキシールゼリー®販売中止について
西川 英二
1
1名古屋掖済会病院泌尿器科
pp.454
発行日 2003年5月20日
Published Date 2003/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100909
- 有料閲覧
- 文献概要
泌尿器科では経尿道的操作の時,日常的に表面麻酔剤を用いています。われわれの施設では導尿カテーテルや尿道ブジー,膀胱尿道鏡などの挿入時には2%の粘滑・表面麻酔剤のキシロカインゼリー®(一般名:塩酸リドカイン;藤沢薬品工業株式会社製造,アストラゼネカ株式会社販売)をカテーテルや器具に塗布し,一方男性に対しての膀胱鏡検査やブジーの時に前処置として尿道粘膜麻酔目的にベノキシールゼリー®(一般名:塩酸オキシブプロカイン;参天製薬株式会社製造・発売)を用いてきました。
そこで尿道粘膜麻酔についてですが,粘性表面麻酔剤のゼリーは,麻酔としての効果はもちろんのこと,その麻酔剤が粘膜全体にムラなく行きわたることも必要条件だと考えます。その意味では適度な粘性が重要なのです。つまり粘性が強すぎると尿道奥まで入りづらい,弱すぎると尿道にとどまらないということになるのです。ベノキシールゼリー®の粘性は,尿道に広く行きわたり,かつ尿道にとどまる,ちょうどよい粘性があったと思います。さらに注入容器も尿道口に押しつけやすい形状であり,使い捨てということからも便利でした。
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.