特集 ここが聞きたい―泌尿器科外来における対処と処方
6.内分泌疾患
■副腎・後腹膜の疾患
【クッシング症候群】
72.クッシング症候群の手術を行ったにもかかわらず,症状が改善しない患者です。対処と処方について教えて下さい。
簑和田 滋
1
1国立国際医療センター泌尿器科
pp.264-265
発行日 2005年4月5日
Published Date 2005/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100280
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1 診療の概要
副腎の単発腺腫による一般的なクッシング症候群では腺腫の摘除により血中コルチゾールは急激に低下する。このためグルココルチコイドを補充しなければ血圧,循環系を維持できない。原発性アルドステロン症とは異なり,手術前後の臨床症状の変化は明白である。したがって,症状が改善しないということは通常の単発腺腫によるクッシング症候群ではないと考えられる。
広義のクッシング症候群の分類と内分泌学的相違,鑑別診断を表1,表2に示した1)。ACTHに依存する病型,クッシング病では1日中ACTHの分泌亢進がみられ,また副腎の病変も両側の過形成であり,単発の腺腫によるクッシング症候群との鑑別は明白である。
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