今月の主題 内分泌疾患の新たな展開
早期診断へのヒントと診断の進め方
クッシング症候群
安田 圭吾
1
,
山北 宜由
1
,
皆森 良明
1
1岐阜大学医学部・第3内科
pp.396-398
発行日 1985年3月10日
Published Date 1985/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219649
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クッシング症候群(C)は,1)下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰分泌による両側副腎皮質過形成をきたす下垂体性C症候群(C病),2)コーチゾル産生副腎皮質腫瘍(腺腫または癌腫)によるC症候群,3)下垂体以外の組織の癌腫からのACTH様物質過剰産生による両側副腎皮質過形成(異所性ACTH症候群)に大別される.うちC病の80〜90%の例で微小下垂体腺腫が見出される、異所性ACTH産生腫瘍のほぼ50%は,主として肺癌とくに小細胞癌であり,胸腺,膵ラ氏島その他の他臓器の癌でも発生し,さらに気管支カルチノイドなど,多くの腫瘍例が報告されている.本邦における本症候群586例の最近の集計1)によると,各々の頻度は,C病356例,副腎皮質腺腫175例,癌腫8例,異所性ACTH腫瘍4例,不明43例であった.
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