今月の主題 内分泌疾患—今日の知識
診断のすすめ方
クッシング症候群
安田 圭吾
1
,
三浦 清
1
Keigo YASUDA
1
,
Kiyoshi MIURA
1
1岐阜大学医学部・第3内科
pp.14-16
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217572
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クッシング症候群は,慢性的コーチゾル過剰状態に起因する特徴的臨床症状(図1)を呈する症候群である.その病態生理学的機序により,①下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)過剰分泌による副腎皮質過形成を来たす下垂体性クッシング症候群(クッシング病),②コーチゾル産生副腎皮質腫瘍(腺腫または癌腫)によるクッシング症候群,③下垂体以外の非内分泌腺組織の癌腫からACTH様物質が過剰に分泌され,副腎皮質過形成を来たす異所性ACTH産生症候群,の3型に大別される.各々の頻度は,1965年から1974年までの本邦における586例の集計では,クッシング病356例,副腎腺腫175例,癌腫8例,異所性ACTH産生症候群4例,不明43例であった1).
クッシング症候群それぞれ,異なった治療を必要とするため,診断に際しては慢性コーチゾル過剰の確定診断とともに,病型診断および腫瘍の局性診断が必要である.
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