増刊号 Common Disease 200の治療戦略
内分泌疾患
クッシング症候群
山川 正
1
,
関原 久彦
1
1横浜市立大学医学部第3内科
pp.420-422
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904145
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
疾患概念と病態
1.分類と病因
クッシング(Cushing)症候群は副腎皮質ステロイドであるコルチゾールの過分泌により生ずる疾患である.本症候群はadrenocorticotropic hormone(ACTH)分泌により2つに分類される.ACTHが過剰に分泌され,副腎皮質よりコルチゾールを過剰に分泌するcorticotropin依存性Cushing症候群と,副腎皮質腺腫などによりコルチゾールが過剰に分泌され,corticotropin分泌は抑制されているcorticotropin非依存性Cushing症候群である.前者には視床下部下垂体系に異常があり,ACTHの過分泌されるものと,下垂体以外の腫瘍よりACTHまたはcorticotropin-releasing hormone(CRF)が過剰分泌される異所性ACTH症候群が含まれる.後者には副腎皮質腺腫あるいは癌,原発性副腎皮質結節性過形成によるものがある.Cushing症候群の病因としてはCushing病が最も多く,本邦では40〜60%,諸外国では60〜70%を占める.
Cushing病の80%以上に下垂体腺腫が認められ,そのほとんどが微小腺腫(1cm以下)である.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.