臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
副腎
クッシング症候群
pp.2276
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217507
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クッシング症候群は,副腎腫瘍によるものと,下垂体腺腫や異所性ACTH産生腫瘍による両側副腎過形成によるものとに大別される.副腎腫瘍は比較的大きく,CTで容易に検出されることが多い.過形成では両側の副腎は正常かまたは全体に腫大した形態を示す4).
当科では副腎腫瘍を5例,下垂体腺腫による過形成を1例経験している.副腎腫瘍の長径はCT上3〜6cmで,そのうち4例で皮質腺腫の病理診断が得られている.腺腫4例はいずれも比較的平滑な辺縁と,均一な内部構造をもち,その吸収値は造影前のCTでは肝よりも低く,腎とほぼ同じ程度であった.反対側の副腎は正常またはやや縮小した形態を示して全例で描出され,またスライスによっては,患側の副腎が正常の形態を示して描出される症例も見られた(図4).
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