Japanese
English
症例報告
HHV−6の再活性化の関与が疑われたカルバマゼピンによるhypersensitivity syndromeの1例
A case of hypersensitivity syndrome due to carbamazepine associated with reactivation of human herpes virus-6
谷岡 未樹
1
,
吉川 義顕
1
,
是枝 哲
1
,
錦織 千佳子
1
,
宮地 良樹
1
Miki TANIOKA
1
,
Yoshiaki YOSHIKAWA
1
,
Satoshi KOREEDA
1
,
Chikako NISHIGORI
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduated School of Medicine
キーワード:
hypersensitivity syndrome
,
HIV−6
,
カルバマゼピン
Keyword:
hypersensitivity syndrome
,
HIV−6
,
カルバマゼピン
pp.871-874
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903716
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73歳,女性.高血圧と骨粗鬆症の治療中に帯状疱疹後疼痛に対してカルバマゼピンを処方された.その1か月後に露光部に紅斑が出現したため,薬剤性の光線過敏症として薬剤の内服中止を指示された.しかし,患者は自己判断で内服を継続し,その2週間後に全身に浸潤を触れる播種性の丘疹が生じ,激しい下痢を呈するようになったため入院となった.入院後,薬疹を疑い,すべての薬剤を中止してステロイドの点滴を開始したが,症状は遷延し,経過中に発熱がみられた.カルバマゼピンのパッチテストとリシノプリルの光パッチテストが陽性であった.組織学的には表皮の壊死と基底膜の液状変性,真皮にリンパ球の浸潤と赤血球漏出像を認めた.以上によりリシノプリルによる光線過敏症に引き続いて起こったカルバマゼピンによるhypersensitivity syndromeと診断した.入院時のHHV−6に対するIgGが高値であり,hypersensitivity syndromeが起こった原因としてHHV−6の再活性化の関与も考えられる.
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