特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1999
2 皮膚疾患の病態
Hypersensitivity syndrome
藤山 幹子
1
,
橋本 公二
1
Mikiko TOHYAMA
1
,
Koji HASHIMOTO
1
1愛媛大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Ehime University School of Medicine
キーワード:
hypersensitivity syndrome
,
重症型薬疹
,
ヒトヘルペスウイルス6
Keyword:
hypersensitivity syndrome
,
重症型薬疹
,
ヒトヘルペスウイルス6
pp.45-49
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902852
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重症型薬疹の一つにhypersensitivity syndrome(HS)がある.皮膚症状は紅斑丘疹型の薬疹であるが,1か月前後の投薬後に発症し,発熱,リンパ節腫脹,肝障害,白血球増多等の全身症状を呈し,しばしば症状が遷延し再燃することを特徴とする.代表的な原因薬剤として,抗けいれん薬,ジアフェニルスルホン(DDS),サラゾスルファピリジン,アロプリノールがあげられている.しかしながら本邦ではHSの概念はあまり知られていない.そこで,抗けいれん薬,DDS,サラゾスルファピリジン,メキシレチンによる,Stevens-Johnson症候群,TEN以外の本邦での重症薬疹を検索し集計したところ,ほぼ前述のHSに一致する臨床像を呈した.この結果は,従来Stevens-Johnson症候群,TEN以外の重症薬疹として報告されていた症例の多くがHSであることを示唆している.また最近,HSの病態にヒトヘルペスウイルス6感染症が関与する可能性が示唆されており,今後が注目される.
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