Japanese
English
症例報告
パブロンS®中のマレイン酸カルビノキサミンによる角層下膿疱型薬疹の1例
Subcorneal pustular drug eruption induced by carbinoxamine maleate
前田 知子
1
,
中島 武之
1
,
宮島 進
1
,
岡田 奈津子
1
Tomoko MAEDA
1
,
Takeshi NAKAJIMA
1
,
Susumu MIYAJIMA
1
,
Natsuko OKADA
1
1大阪厚生年金病院皮膚科
1Department of Dermatology, Osaka Kosei-Nenkin Hospital
キーワード:
角層下膿疱型薬疹
,
抗ヒスタミン剤
,
スクラッチパッチテスト
Keyword:
角層下膿疱型薬疹
,
抗ヒスタミン剤
,
スクラッチパッチテスト
pp.697-699
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903665
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
市販薬パブロンS®により膿疱を伴う多形滲出性紅斑を呈し,成分パッチテストによってマレイン酸カルビノキサミンによる薬疹と診断した1例を報告する.患者は58歳,女性。風邪症状が長引き,パブロンS®を2週間以上内服していた.近医受診時,腹部は膿疱を伴い紅皮症状態であったという.当科初診時には肉眼的膿疱は消失していたが,病理組織学的に角層下膿疱が認められた.プレドニン30mg/日にて治療開始し,約10日で軽快した.退院後,原因薬剤検索の目的で,成分スクラッチパッチテストを行った.抗ヒスタミン作用を有するマレイン酸カルビノキサミンにより膿疱を伴う紅斑がパッチテスト部位に誘発され,同剤による薬疹と診断した.経皮吸収を高めたスクラッチパッチテストにより,ほぼ臨床像に近い皮疹が得られ,膿疱型薬疹の薬剤検索法として有用であると思われた.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.