Japanese
English
症例報告
チアマゾールによって誘発された落葉状天疱瘡の1例
A case of pemphigus foliaceus induced by thiamazole
中村 裕之
1
,
古屋 和彦
1
,
筒井 理裕
2
Hiroyuki NAKAMURA
1
,
Kazuhiko FURUYA
1
,
Toshihiro TSUTSUI
2
1函館中央病院皮膚科
2函館中央病院内科
1Department of Dermatology, Hakodate Chuo Hospital
2Department of Internal Medicine, Hakodate Chuo Hospital
キーワード:
薬疹
,
薬剤誘発性天疱瘡
,
抗甲状腺剤
,
チアマゾール
Keyword:
薬疹
,
薬剤誘発性天疱瘡
,
抗甲状腺剤
,
チアマゾール
pp.226-228
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903494
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薬剤誘発性天疱瘡の原因薬剤は,構造式中に遊離のSH基を持つ薬剤であることが多い.抗甲状腺剤であるチアマゾールもSH基を含み,かつその使用頻度が高いのにもかかわらず,天疱瘡誘発の報告は意外にもきわめて少ない.筆者らは,41歳女性の,本剤による落葉状天疱瘡の1例を経験した.皮疹は内服開始3か月後(総量940mg)に生じ,初め躯幹の多発性浮腫性紅斑,次いで紅斑上に水疱を形成し,落葉状天疱瘡様となった.組織像,免疫蛍光抗体法による所見も特発性落葉状天疱瘡と類似した.チアマゾール内服中止後1か月半で皮疹は速やかに消失し,以後再発をみない.本剤による報告例がきわめて少ないことから,実際の天疱瘡発生率もきわめて稀であると想像されるが,やはり留意すべき原因薬剤の一つであると考えた.
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