Japanese
English
症例報告
チアマゾールによる薬剤関連ANCA関連血管炎の1例
A case of drug-induced ANCA-associated vasculitis due to thiamazole
桑原 咲
1
,
髙山 恵律子
1
,
髙橋 和嘉子
1
,
吉岡 晶子
1
Saki KUWAHARA
1
,
Eriko TAKAYAMA
1
,
Wakako TAKAHASHI
1
,
Akiko YOSHIOKA
1
1甲南医療センター皮膚科
1Division of Dermatology, Konan Medical Center, Kobe, Japan
キーワード:
ANCA
,
血管炎
,
抗甲状腺薬
,
チアマゾール
,
薬剤関連血管炎
Keyword:
ANCA
,
血管炎
,
抗甲状腺薬
,
チアマゾール
,
薬剤関連血管炎
pp.901-906
発行日 2024年11月1日
Published Date 2024/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207431
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要約 60歳,女性.初診3か月前にバセドウ病に対しチアマゾールの内服を開始した.初診7日前に右下腿に発赤を伴う水疱が生じ潰瘍化した.いったん軽快したが,1か月後より両下腿に浸潤を触れる紫斑と浮腫,関節痛が出現した.紫斑の皮膚生検では白血球破砕性血管炎を認め,血液検査ではCRPとMPO-ANCAが軽度上昇していた.チアマゾールによる薬剤関連血管炎を疑い内服を中止したところ,下腿浮腫と関節痛は速やかに改善し,紫斑の新生は消失した.同剤は薬剤リンパ球刺激試験で陽性だった.症状改善後には再燃はなくANCA値は低下し,チアマゾールによる薬剤関連ANCA関連血管炎と診断した.薬剤関連血管炎は見落とされやすく,原因薬剤の中止が遅れると重症化することもある.下肢に紫斑,水疱,潰瘍などがみられたら,薬剤関連血管炎も鑑別に早期に薬剤歴を確認し被疑薬を中止することが重要であると考える.
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