Japanese
English
症例報告
シクロスポリン投与中内臓悪性腫瘍を合併した皮膚筋炎の2例
Two cases of dermatomysitis with internal malignancies during the use of cyclosporine
永尾 圭介
1
,
石橋 正史
1
,
佐藤 友隆
1
,
杉浦 丹
1
Keisuke NAGAO
1
,
Masafumi ISHIBASHI
1
,
Tomotaka SATO
1
,
Makoto SUGIURA
1
1清水市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Shimizu Municipal Hospital
キーワード:
皮膚筋炎
,
シクロスポリン
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
シクロスポリン
,
悪性腫瘍
pp.223-225
発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903493
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
皮膚筋炎の2例を報告した.両症例とも数回にわたる全身検索にて内臓悪性腫瘍は認めなかった.シクロスポリン投与中,症例1はstage IIIbの肺癌,症例2は原発性不明悪性腫瘍の肝・骨多発性転移を認めた.シクロスポリンによる腫瘍の発育および転移が促進されたことが考えられた.免疫抑制剤を長期投与した場合,腫瘍免疫が低下するため内臓悪性腫瘍の合併リスクが高まることが知られている.最近シクロスポリンは腫瘍細胞への直接作用にて発育・転移の促進をすることが証明された.シクロスポリンは現在ステロイド抵抗性皮膚筋炎や間質性肺炎合併例の治療において有用な薬剤であるが,皮膚筋炎の悪性腫瘍合併率を考慮すると適応は慎重に決定すべきである.シクロスポリンと悪性腫瘍につき文献的考察も加え報告した.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.