Japanese
English
症例報告
水疱を形成し胃癌を合併した皮膚筋炎
A case of coexistence of dermatomyositis with bullous lesions and gastric cancer
原 尚道
1
,
新井 達
1
,
坪井 廣美
1
,
橋本 明彦
1
,
勝岡 憲生
1
Hisamichi HARA
1
,
Satoru ARAI
1
,
Hiromi TSUBOI
1
,
Akihiko HASHIMOTO
1
,
Kensei KATSUOKA
1
1北里大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
キーワード:
皮膚筋炎
,
水疱
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
水疱
,
悪性腫瘍
pp.822-824
発行日 2000年9月1日
Published Date 2000/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903358
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症例は60歳,女性.上眼瞼,頬部,背部,腰部に浮腫性紅斑が生じた.腰部の紅斑内には米粒大の緊満性水疱が集簇していた.皮膚症状から皮膚筋炎と診断した.しかし,この時点では筋症状,筋原性酵素値の上昇は認めなかった.紅斑の組織像では,基底層の障害と真皮上層の強い浮腫があり,表皮下水疱を形成していた.進行胃癌の合併があり,胃切除で一時的に紅斑は消退した.しかし胃癌の再発に伴って紅斑が再燃し,筋症状も出現した.癌性腹膜炎のため初診の約6か月後に死亡した.水疱を生じた皮膚筋炎は悪性腫瘍の合併率が高く,特に進行例の合併が多い.皮膚筋炎に生じた水疱は予後不良を示唆する症状と考えられる.
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