臨床講義
皮膚筋炎
藤本 学
1
1筑波大学医学医療系,皮膚科,教授
キーワード:
皮膚筋炎
,
皮膚症状
,
自己抗体
,
間質性肺炎
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
皮膚症状
,
自己抗体
,
間質性肺炎
,
悪性腫瘍
pp.1261-1268
発行日 2017年7月1日
Published Date 2017/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000118
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皮膚科で扱う全身性疾患として重要なもののひとつに,膠原病がある。膠原病では皮膚症状が出現することが多く,皮膚症状を正確に評価することは診療に不可欠である。その意義として,第一に,膠原病では皮膚症状が診断の手がかりや決め手になることが多く,診断に重要な役割をもっている。第二に,皮膚症状から診断のみならず疾患内のサブセットや合併症・予後,疾患活動性などについての情報を読み取ることができる。第三に,皮膚病変自体が膠原病患者にとってはQOL を大きく左右する症状であり,その治療は臓器病変に劣らず大切である。このように,膠原病は皮膚症状と全身との関係を考えながら診療することが求められる疾患である。本稿では,膠原病のなかでも皮膚病変が重要な意味をもつ皮膚筋炎をとりあげる。皮膚筋炎では近年自己抗体の研究が進み,その臨床的意義が明らかになってきた。そこで,皮膚筋炎を皮膚症状と自己抗体からどのように診断・分類・治療していくかについての考え方を示す。
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