Japanese
English
症例報告
卵巣癌の病勢と一致してKL−6値が上昇した皮膚筋炎の1例
KL-6 level of a patient with dermatomyositis correlated with ovarian carcinoma activity:A case report
新井 達
1
,
勝岡 憲生
1
,
関根 敦子
2
,
新井 春枝
3
,
衛藤 光
4
Satoru ARAI
1
,
Kensei KATSUOKA
1
,
Atsuko SEKINE
2
,
Harue ARAI
3
,
Hikaru ETO
4
1北里大学医学部皮膚科学教室
2北里研究所メディカルセンター病院皮膚科
3大和市立病院皮膚科
4聖路加国際病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
2Division of Dermatology, The Kitasato Institute Medical Center Hospital
3Division Dermatology, Yamato City Hospital
4Division of Dermatology, St Luke's International Hospital
キーワード:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
間質性肺炎
,
K−6
,
SP-D
Keyword:
皮膚筋炎
,
悪性腫瘍
,
間質性肺炎
,
K−6
,
SP-D
pp.759-762
発行日 2001年9月1日
Published Date 2001/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903682
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49歳,女性.卵巣癌を合併した皮膚筋炎.皮疹は卵巣癌の病勢と並行して,寛解・増悪を繰り返した.経過中,UFTによると思われる間質性肺炎を併発したが,同剤の中止と加療により軽快した.しかし,その後も間質性肺炎の病勢とは無関係に血清KL−6値が上昇した.同時期より急速に卵巣癌の増大と転移が進んでいることから,腫瘍の体積と相関しているものと考えた.一方,KL−6と同様に間質性肺炎の指標となる血中SP—D値は正常範囲内であった.近年,II型肺胞上皮由来であるKL−6, SP-Dなどのマーカーが間質性肺炎の指標として広く用いられている.しかし,臨床症状と乖離してこれらマーカーの上昇する場合は,悪性腫瘍の検索も忘れてはならない教訓的な症例と思われた.
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