Japanese
English
症例報告
ハンセン病(LL型)の再発例
A case of the recrudescent leprosy of LL-type
寺井 典子
1
,
並里 まさ子
1
,
小川 秀興
2
Noriko TERAI
1
,
Masako NAMISATO
1
,
Hideoki OGAWA
2
1国立療養所多磨全生園皮膚科
2順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, National Leprosarium Tama Zenshoen
2Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
キーワード:
ハンセン病
,
多剤併用療法
Keyword:
ハンセン病
,
多剤併用療法
pp.743-745
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903337
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79歳,男性.1953年(35歳時)にLL型ハンセン病と診断された.主としてsulfone剤による治療を受け,約30年後に菌は陰性化し病状も安定した.その後ジアフェニルスルホン(DDS)25mg/日が継続されたが,約20年後,左3,4指のしびれ感と同指の著明な皮膚温低下に気づき,さらに体幹,臀部,四肢に炎症所見の乏しい指頭大の淡い紅斑が多数,散在性に出現した.当該部の生検にて,らい菌を食するマクロファージの旺盛な組織浸潤傾向を認め,臨床所見とあわせて再発性のLL型ハンセン病と考えた.軽度の初期病変に対する注意深い観察が,早期発見を可能にしたと考えられる.リファンピシン,クロファジミン,DDS,ミノサイクリンの併用療法にて,半年後には皮疹はほぼ消失し,菌検査も陰性化した.その後も良好な経過が得られている.
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