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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
4 皮膚疾患治療のポイント
ニトログリセリンテープによる強皮症患者の末梢循環不全の治療
Treatment with a nitroglycerine tape for the peripheral circulatory disturbance in systemic sclerosis
関 姿惠
1
,
秋元 幸子
1
,
石川 治
1
Chie KAN
1
,
Sachiko AKIMOTO
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
キーワード:
全身性強皮症
,
ニトログリセリンテープ
,
サーモグラフィー
,
手指温
,
末梢循環不全
Keyword:
全身性強皮症
,
ニトログリセリンテープ
,
サーモグラフィー
,
手指温
,
末梢循環不全
pp.133-137
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903225
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全身性強皮症患者の末梢循環不全に対するニトログリセリン製剤含有テープ(NTGテープ)貼布の効果を,サーモグラフィーを用いた手指温測定および臨床症状の変化により評価した.全身性強皮症患者25名の一側の手関節部にNTGテープを貼布した後,手指温の変化を経時的に検討し,また,12名においてNTGテープ貼布後のRaynaud現象,指尖潰瘍,自覚症状の変化を評価した.NTGテープ貼布60分後には60.0%(15/25)の患者で2℃以上の手指温上昇を認めた.温度上昇例は貼布前の手指温が健常人の手指温の平均−2SD以下に低下している例で有意に多く(p<0.01),臨床所見や罹患年数とは相関がなかった.Raynaud現象は33.3%(4/12),指尖潰瘍は44.4%(4/9),自覚症状は83.3%(10/12)の患者で改善した.NTGテープ貼布は全身性強皮症患者の末梢循環不全に対し試みる価値のある治療法と考えた.
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