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特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 2000
4 皮膚疾患治療のポイント
皮膚潰瘍の近赤外線療法
Therapy of cutaneous ulcers by infrared ray irradiations
戸田 憲一
1
Ken-Ichi TODA
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学
1Department of Dermatology, Graduate School of Medicine, Kyoto University
キーワード:
皮膚潰瘍
,
創傷治癒
,
近赤外線
,
低出力レーザー
Keyword:
皮膚潰瘍
,
創傷治癒
,
近赤外線
,
低出力レーザー
pp.138-143
発行日 2000年4月15日
Published Date 2000/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903227
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皮膚潰瘍の新しい治療法として近赤外線照射法を紹介した.対象は入院患者10人で,インフォームド・コンセント取得後,膠原病群,Buerger病,慢性接触皮膚炎,Werner病,糖尿病,植皮術後など多種の皮膚潰瘍21か所に,非偏光あるいは偏光の近赤外線照射装置(スーパーライザー®(SL):HA550,東京医研)を用いて,1例を除き連日照射した.照射プローブ先端より約1cm離し,100%出力,1サイクルを4〜6秒on,1〜2秒offの照射時間として,1照射野あたり7〜10分で1日1回,創面すべてに照射されることを基本とした.いずれの場合にもほとんどすべての潰瘍で傷の完全閉鎖あるいは自覚症状の改善を認めた.皮膚潰瘍外用剤単独とSLとの併用の比較臨床試験においては照射側が有意な創傷治癒促進効果を示した.副作用は軽度熱傷あるいは不快感が2名にみられたが,軽微であった.予備的基礎実験では近赤外線照射が創傷治癒関連細胞群の増殖あるいはサイトカインTGF-β産生あるいは遊走能などに対する直接的活性化を示唆する結果が得られた.皮膚潰瘍の保存的治療法の主流は現在外用剤にあることは明らかであるが,今回の結果は,本法もその一つとしてきわめて有望である可能性を示唆している.
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