Japanese
English
症例報告
妊娠中に発症し乳癌を合併した皮膚筋炎の1例
A case of dermatomyositis in pregnancy with breast cancer
和田 直子
1
,
河原 由恵
1
,
佐々木 裕子
1
,
大畑 恵之
1
,
西川 武二
1
,
小笠原 孝
2
Naoko WADA
1
,
Yoshie KAWAHARA
1
,
Yuko SASAKI
1
,
Yoshiyuki OHATA
1
,
Takeji NSHIKAWA
1
,
Takashi OGASAWARA
2
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2慶應義塾大学内科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Internal Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
皮膚筋炎
,
妊娠
,
悪性腫瘍
Keyword:
皮膚筋炎
,
妊娠
,
悪性腫瘍
pp.1116-1118
発行日 1999年12月1日
Published Date 1999/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903077
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37歳,女性.妊娠25週,腹部に落屑性紅斑が出現.皮疹は背部,上腕に拡大し,上肢筋力低下,嚥下困難が出現,筋系酵素上昇,筋電図にてmyopathic patternを認めたため皮膚筋炎と診断した.妊娠経過中,胎児の発育に異常なく,妊娠36週,帝王切開にて正常児を分娩した.分娩後プレドニゾロン(PSL)60mgより内服を開始したところ,皮疹,筋症状とも急速に改善し,PSLを順調に漸減したが,分娩2か月後,左乳房に乳癌が発見された.定型乳房切除術を施行し,術後の皮疹および筋症状に著変は認めなかった.PSL7mgまで減量した後来院せず,その後の経過は不明である.妊娠中に発症した皮膚筋炎では,妊娠経過に伴う皮膚筋炎の病勢の悪化と出産による軽快の可能性があること,high risk妊娠であること,皮膚筋炎患者では比較的若年者でも積極的な悪性腫瘍の検索が重要であることが考えられた.
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