Japanese
English
原著
血中G-CSFが高値を示し,鼠径リンパ節転移が急速に増大した外陰部有棘細胞癌
Genital squamous cell carcinoma with elevated serum G-CSF levels
石地 尚興
1
,
高木 祐子
1
,
川瀬 正昭
1
,
竹内 常道
1
,
上出 良一
1
,
新村 眞人
1
,
古谷 浩
2
Takaoki ISHIJI
1
,
Yuko TAKAGI
1
,
Masaaki KAWASE
1
,
Tsunemichi TAKEUCHI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Michihito NIIMURA
1
,
Hiroshi FURUYA
2
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
2鈴木クリニック
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
2Suzuki Clinic
キーワード:
有棘細胞癌
,
G-CSF
,
硬化性萎縮性苔癬
Keyword:
有棘細胞癌
,
G-CSF
,
硬化性萎縮性苔癬
pp.105-108
発行日 1999年2月1日
Published Date 1999/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902770
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73歳,女性,2年前より排尿時異和感があったが,外陰部の病変には気づかなかった.9か月前に左鼠径部に腫瘤を生じ,1か月前より急速に増大した.初診時,左鼠径部に径85mm大の表面がびらんし,滲出液,出血を伴う腫瘤および陰核包皮に表面が白色浸軟する小腫瘤を認めた.生検にていずれも有棘細胞癌と診断,陰核包皮が原発で鼠径リンパ節転移が急速に増大したものと考えた.他臓器に病変は認めなかったが,鼠径部腫瘤が外腸骨動静脈に達していたため放射線療法を施行した.一時的に腫瘤は縮小したが,最終的には鼠径部の腫瘍内で外腸骨動脈が破綻し,失血死した.初診時に白血球数が31,500/μlと増加しており,最高64,200/μlまで増加した.血中G-CSFは373pg/μlと増加していた.肺癌ではG-CSF産生腫瘍が報告されており,G-CSFが白血球増多のみならず腫瘍の増大にも関与するとされる.自験例でも鼠径部の腫瘤は急速な増大を示し,G-CSF産生腫瘍である可能性が考えられた.
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