Japanese
English
症例報告
外陰部に生じたPTHrPおよびG-CSF産生有棘細胞癌の1例
A case of squamous cell carcinoma of the vulva producing PTHrP and G-CSF
真島 瑛美
1
,
大森 俊
1
,
柴田 真悠
1
,
中村 元信
1
Emi MASHIMA
1
,
Shun OHMORI
1
,
Mayuu SHIBATA
1
,
Motonobu NAKAMURA
1
1産業医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, University of Occupational and Environmental Health, Kitakyushu, Japan
キーワード:
高Ca血症
,
白血球増多
,
有棘細胞癌
,
副甲状腺関連蛋白(PTHrP)
,
G-CSF産生腫瘍
Keyword:
高Ca血症
,
白血球増多
,
有棘細胞癌
,
副甲状腺関連蛋白(PTHrP)
,
G-CSF産生腫瘍
pp.797-801
発行日 2017年9月1日
Published Date 2017/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205204
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要約 70歳,女性.2016年8月初旬より歩行困難が出現し,8月中旬には意識混濁をきたしたため救急搬送された.来院時,外陰部に黄白色の膜様壊死組織が付着する14×8cm大の筋層に及ぶ潰瘍を認め,皮膚生検で有棘細胞癌と診断した.血液検査では,補正Ca値17.1mg/dlで,高Ca血症による意識障害と考えた.また末梢白血球数54,900/μl(Neu 95.2%)と高値であった.血中PTHrP(parathyroid hormone-related protein-C)14.1pmol/l,G-CSF(granulocyte-colony stimulating factor)276pg/mlといずれも高値であること,抗G-CSF抗体による免疫組織学染色にて,腫瘍細胞の細胞質にG-CSF陽性像を認めたことからPTHrP,G-CSF産生腫瘍と判断した.PTHrPおよびG-CSF産生有棘細胞癌は稀であるが,高Ca血症や白血球増多をきたした際には念頭に置く必要がある.
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