Japanese
English
症例報告
鼠径リンパ節転移で診断された無色素性黒色腫の1例
A case of amelanotic melanoma diagnosed by inguinal lymph node metastases
幸田 公人
1
,
高木 祐子
1
,
石地 尚興
1
,
上出 良一
1
,
新村 眞人
1
Masato KOHDA
1
,
Yuko TAKAGI
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
無色素性黒色腫
,
抗HMB-45抗体染色
,
amelanotic melanoma
Keyword:
無色素性黒色腫
,
抗HMB-45抗体染色
,
amelanotic melanoma
pp.579-582
発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100737
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
78歳,男性.近医で右鼠径部の皮下腫瘤を切除したところ悪性黒色腫の転移が疑われ当科を受診した.初診時,右足底に紅色結節と右下腿に多発する皮下結節がみられた.右足底の紅色結節を悪性黒色腫の原発巣,右下腿の皮下結節をin transit転移と考えて切除し,併せて右鼠径リンパ節郭清を行った.病理組織学的には右足底の紅色結節の腫瘍細胞の主体は紡錘形細胞でメラニン顆粒を認めなかった.抗HMB-45抗体染色はごく一部の腫瘍細胞のみに陽性であった.右下腿の皮下結節の腫瘍細胞はメラニン顆粒を有し,抗HMB-45抗体染色陽性であった.右鼠径リンパ節には転移を認めた.以上より,右足底の紅色結節が原発の無色素性黒色腫(pT4,N2b,M0:病期ほう)と診断した.フェロン-DAV療法を10クール施行したが術後1年で新たに右下腿にin transit転移を生じ,3年目に多臓器不全で死亡した.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.