Japanese
English
症例報告
血中PTHrP,G-CSF高値により高Ca血症,白血球増多を生じた臀部熱傷瘢痕癌
A case of gluteal squamous cell carcinoma associated with hypercalcemia and leukocytosis due to the over production of parathyroid hormone related protein (PTHrP) and granulocyte-colony stimulating factor (G-CSF)
吉田 寿斗志
1
,
福地 修
1
,
幸田 公人
1
,
石地 尚興
1
,
上出 良一
1
Hisatoshi YOSHIDA
1
,
Osamu FUKUCHI
1
,
Masato KODA
1
,
Takaoki ISHIJI
1
,
Ryoichi KAMIDE
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,The Jikei University School of Medicine
キーワード:
熱傷瘢痕癌
,
高Ca血症
,
白血球増多
,
副甲状腺関連蛋白(PTHrP)
,
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
Keyword:
熱傷瘢痕癌
,
高Ca血症
,
白血球増多
,
副甲状腺関連蛋白(PTHrP)
,
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)
pp.81-83
発行日 2005年1月1日
Published Date 2005/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100023
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要約 55歳,男性.2歳時,両臀部,右大腿部に熱傷を受けた.2001年2月頃,右大転子部に悪臭を伴う腫瘤が出現し,2001年4月16日当科受診した.腫瘍切除,右鼠径リンパ節郭清術施行.リンパ節17個中2個に転移がみられた.術後化学療法を施行したが,2002年8月に後腹膜と左鼠径リンパ節に新たに転移を認め,放射線療法を追加した.以後外来で経過観察していたが,2003年1月6日,意識混濁で救急搬送された.来院時,補正Ca値15.6mg/dlより高Ca血症による意識障害と考えた.また,白血球数が54,600/μlと高値を示し,その後,最高116,700/μlまで増加した.血中PTHrP6.9pmol/l,G-CSF490pg/mlとともに高値であり,PTHrP,G-CSF産生腫瘍が疑われた.悪性腫瘍がPTHrPやG-CSFを産生して高Ca血症,白血球増多をきたすことは稀であるものの,扁平上皮癌に合併することが多く,有棘細胞癌の経過観察中は念頭に置く必要がある.
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