Japanese
English
原著
Natural killer細胞悪性リンパ腫
Natural killer cell lymphoma
安川 香菜
1
,
小野塚 貴
1
,
加藤 直子
1
,
白取 昭
2
Kana YASUKAWA
1
,
Takashi ONOZUKA
1
,
Naoko KATO
1
,
Akira SHIRATORI
2
1国立札幌病院皮膚科
2札幌皮膚科クリニック
1Department of Dermatology, National Sapporo Hospital
2Sapporo Dermatology Clinic
キーワード:
natural killer細胞悪性リンパ腫
,
CD56
,
血管親和性
Keyword:
natural killer細胞悪性リンパ腫
,
CD56
,
血管親和性
pp.489-494
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902571
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74歳,男性.2年前に左上眼瞼に暗赤色の結節が出現し近医にて内服・外用治療を受け消退した.1年後,同部位に再発,左頬部・背部にも結節が多発し,平成9年当科に入院した.結節部の病理組織像では真皮内に“grenz”zoneを有する異型のリンパ球様細胞の密な増殖を認めた.腫瘍細胞は胞体内にアズール顆粒を有しており,CD2,CD4,CD3ε(DAKO),CD56,MT−1が陽性で,CD3(Leu4),CD16,UCHL−1,MB—1は陰性であった.T細胞,B細胞とも遺伝子の再構成は胚細胞型で,natural killer(NK)細胞由来の悪性リンパ腫と診断した.他に骨髄,上咽頭,リンパ節にも浸潤がみられた.治療としてCHOPを施行し寛解に至った.鼻腔原発の悪性リンパ腫の多くがNK細胞由来とされ,EBウイルスとの関係が指摘されているが,本症例ではEBウイルスは検出されなかった.
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