境界領域/知っておきたい
NKT細胞(Natural Killer T Cell)
原田 義忠
1
1千葉大学大学院医学研究院整形外科学
pp.1356-1359
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903684
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【はじめに】
ほ乳類における免疫系を構成するリンパ球は,大きく分けて次の3つのグループに分類されてきた.1)T細胞;胸腺で分化し細胞性免疫をつかさどり,T細胞抗原受容体(TCR:T cell receptor/CD3)を細胞表面に発現している.2)B細胞;各種抗体(免疫グロブリン:IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)を産生することにより液性免疫をつかさどる.3)NK細胞;免疫系において自己であることを示すMHC(主要組織適合遺伝子複合体)が失われた細胞,例えばガン細胞などを認識して細胞傷害性を発揮し,活性化分子であるNK1.1を発現している.
最近新たに発見された第四のリンパ球として,NKT細胞(Natural Killer T Cell)が,注目されており,この細胞は名前のとおり細胞表面にT細胞の表面マーカー(TCR)とNK細胞のマーカー(NK1.1)を発現している.近年の研究によりこのNKT細胞のもついくつかの特徴が明らかにされてきた2).
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