Japanese
English
原著
重症蚊刺過敏症患者における末梢血リンパ球のサブセット—Natural Killer細胞増多症およびその他の異常
Peripheral Blood Lymphocyte Subsets in Patients with Severe Hypersensitivity to Mosquito Bites: Natural Killer Cell Lymphocytosis and Other Abnormalities
戸倉 新樹
1
Yoshiki TOKURA
1
1静岡市立静岡病院皮膚科
1Department of Dermatology, Shizuoka City Hospital
キーワード:
重症蚊刺過敏症
,
natural killer細胞
Keyword:
重症蚊刺過敏症
,
natural killer細胞
pp.509-513
発行日 1992年6月1日
Published Date 1992/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900648
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自験および既報告の重症蚊刺過敏症患者における末梢血リンパ球のphenotypeを,特定のリンパ球サブセットの増多という観点から検討した.自験例重症蚊刺過敏症では,CD2+3-4−8-11b+16+38+56+57−,HLA-DR+の表面形質を有するリンパ球が末梢血リンパ球中に50〜60%認められ,natural killer(NK)細胞増多症が存在した.対照として検討した2例の全身症状のない局所症状のみの蚊刺過敏症では,こうしたリンパ球の増多は認められなかった.過去に報告された重症蚊刺過敏症例の末梢血単核球のphenotypeを検討した結果,NK細胞増多症を示唆する症例が存在した.しかし一方では,悪性リンパ腫など他のリンパ球増殖性疾患を伴う例もあった.今後,重症蚊刺過敏症をリンパ球増殖性疾患の潜在という観点からも検討していく必要があると考えた.
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