Japanese
English
今月の症例
α鎖病の1例
A case of α-chain disease
川瀬 正昭
1
,
澤田 俊一
1
,
本田 まりこ
1
,
新村 眞人
1
Masaaki KAWASE
1
,
Shun'ichi SAWADA
1
,
Mariko HONDA
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学医学部皮膚科学講座
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
α鎖病
,
重鎖病
Keyword:
α鎖病
,
重鎖病
pp.895-898
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902330
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44歳男性に認められたα鎖病の1例について報告した.腹部,前腕および上腕,腰背部,大腿,下腿に掻痒を伴わない径3mm大の淡紅色丘疹が認められ,リンパ節腫大や肝脾腫はなかった.血清学的にIgA高値を示し,免疫電気泳動ではIgAの重鎖(α鎖)のみの過剰産生がみられた.皮膚病変の組織では真皮全層の血管周囲性に大小不同のリンパ球細胞浸潤を認め,真皮深層には異型性のない形質細胞の浸潤を認めた.また真皮深層にある形質細胞の細胞質に一致して蛍光抗体直接法でIgAの局在を認めた.これまでに消化器症状または呼吸器症状を呈した症例は報告されているが,皮疹だけを主訴に皮膚科を受診し,α鎖病が発見されるのは非常に稀であると考えられる.
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