Japanese
English
今月の症例
尖圭コンジロームより診断したHIV感染者の1例
A case of HIV infection diagnosed from condyloma acuminatum
早川 祐子
1
,
川瀬 正昭
1
,
横井 清
1
,
本田 まりこ
1
,
新村 眞人
1
Yuko HAYAKAWA
1
,
Masaaki KAWASE
1
,
Kiyoshi YOKOI
1
,
Mariko HONDA
1
,
Michihito NIIMURA
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine
キーワード:
HIV感染
,
尖圭コンジローム
,
脂漏性皮膚炎
Keyword:
HIV感染
,
尖圭コンジローム
,
脂漏性皮膚炎
pp.303-306
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902823
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25歳,男性.陰茎亀頭部から肛囲にかけて多発する黒褐色小丘疹を主訴に来院した.組織は顆粒層の表皮細胞の核周囲に空胞化を認め,細胞の軽度の異型性,配列の乱れ,核の大小不同が一部に存在した.PCR法にてhuman papilloma virus 6型が検出され尖圭コンジロームと診断した.初診時,病変が肛囲に及び広範囲であること,頭部に脂漏性皮膚炎を認め,両側鼠径リンパ節腫脹を触知したため,human immunodeficiencv virus(HIV)感染を疑ったところ,CD4 510/mm3,CD4/8比0.4,抗HIV抗体512倍以上,Western blot法陽性であった.また梅毒の既往があり,ガラス板法1倍,TPHA 2,560倍であった.近年増加傾向にあるHIV感染症において,我々皮膚科医はそれに伴う皮膚病変を熟知し早期発見に努めるべきと考えた.
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