Japanese
English
今月の症例
外陰部Bowen病,Bowenoid Papulosis,尖圭コンジロームが混在した1例
A Case of the Genital Bowen's Disease Associated with Bowenoid Papulosis and Condyloma Acuminatum
新関 寛徳
1,3
,
小野寺 有子
1
,
増田 光喜
1
,
清水 宏
1
,
本田 まりこ
2
,
新村 眞人
2
,
西川 武二
1
Hironori NIIZEKI
1,3
,
Yuko ONODERA
1
,
Mitsugi MASUDA
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
,
Mariko HONDA
2
,
Michihito NIIMURA
2
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
3北里研究所病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
2Department of Dermatology, the Jikei University School of Medicine
キーワード:
Bowen病
,
Bowenoid papulosis
,
尖圭コンジローム
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
免疫抑制状態
Keyword:
Bowen病
,
Bowenoid papulosis
,
尖圭コンジローム
,
ヒト乳頭腫ウイルス
,
免疫抑制状態
pp.1175-1180
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901067
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Bowen病(BD),Bowenoid papulosis(BP),尖圭コンジローム(CA)が同時期に外陰部に出現した42歳女性例を報告した.BPとCAでは電顕的にウイルス様粒子を認め,PAP法による乳頭腫ウイルス抗原の検索でも陽性所見を得たが,BDでは両者とも陰性であった.Southern blot hybridization法,in situ hybridization法,PCR法を用いたHPV-DNAの検索では,各々の皮疹よりウイルスDNAを検出したが,HPV−1,−2,−6,−11,−16,−18,−31,−33,−35,−51型DNAのいずれの型別も同定できなかった.本症例はオーバーラップ症候群のためのステロイド剤,免疫抑制剤を内服中であり,免疫抑制状態にあった.このような状態がBPの悪性化,あるいはBDの合併に関与した可能性が考えられ,同様の症例の診察,経過観察にあたっては皮疹の悪性化も考慮する必要があると考えられた.
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