Japanese
English
症例報告
BCGに続発した腺病性苔癬の1例
A case of lichen scrofulosorum following BCG
大井 知教
1
,
堀内 令久
1
,
田上 八朗
1
,
薄場 真
2
Tomonori OHI
1
,
Norihisa HORIUCHI
1
,
Hachiro TAGAMI
1
,
Makoto USUBA
2
1東北大学医学部皮膚科教室
2薄場皮膚科医院
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
2Usuba Clinic
キーワード:
腺病性苔癬
,
BCG
,
PCR法
Keyword:
腺病性苔癬
,
BCG
,
PCR法
pp.412-414
発行日 1997年5月1日
Published Date 1997/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902211
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5か月女児のBCG接種に続発した腺病性苔癬の1例を報告した.症例はBCG接種を受けて約1か月後より全身に汗疹様の紅色丘疹や痤瘡様皮疹が出現した.抗生剤の内服,外用を中心とした治療を約2週間受けたが軽快せず,皮膚科専門医を経て当科に紹介された.初診時,ほぼ全身に直径2〜5mm大の紅色丘疹が多発していた.丘疹は毛孔一致性で周囲に紅斑を伴い一部の丘疹は頂部に鱗屑をつけていた.前腕部より生検を行い,真皮上層から皮下脂肪織の直上まで毛嚢,汗腺の近傍に膠原線維間に入り込むように類上皮細胞よりなる乾酪壊死のない肉芽腫像を認めた.以上の臨床像と組織学的所見に加えてPCR法で皮疹部に結核菌が陰性であったことより,BCG接種による腺病性苔癬と診断した.真性結核の減少を反映し本症は比較的まれではあるが,小児のBCG接種に続発した例が多くなっており,注意すべきものと考えた.
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