特集 ワクチンと皮膚病
臨床例
BCG接種後に腺病性苔癬を続発した症例
吉方 佑美恵
1
,
簗場 広一
,
上出 良一
1東京慈恵会医科大学附属第三病院 皮膚科
キーワード:
BCGワクチン
,
鑑別診断
,
予防接種
,
苔癬-光沢
,
待機療法
,
結核疹-壊疽性丘疹状
,
苔癬-腺病性
Keyword:
BCG Vaccine
,
Diagnosis, Differential
,
Vaccination
,
Lichen Nitidus
,
Watchful Waiting
pp.1121-1124
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015074187
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
<症例のポイント>5ヵ月、女児。初診2ヵ月前にBCG接種を受けた。その約1ヵ月後から、顔面、体幹に多発する紅色丘疹が出現した。病理組織学的に真皮に多核巨細胞を有する類上皮細胞性肉芽腫を認めたため、腺病性苔癬と診断した。本来、腺病性苔癬はまれな結核疹といわれていたが、結核予防法改正により2005年から生後6ヵ月に達する前にツベルクリン反応検査をせずBCG接種を行うことになったため、今後結核疹は増加する可能性がある。腺病性苔癬は自然治癒することが多いが、皮疹消失後、再発する例や、遷延し抗結核薬の投与が必要な症例も報告されており、皮膚科医として熟知しておく必要がある。
Copyright© 2014 KYOWA KIKAKU Ltd. all rights reserved.