Japanese
English
症例報告
BCG接種後に生じた腺病性苔癬の1例
A case of lichen scrofulosorum following BCG vaccination
石川 真衣
1
,
大西 一德
1
Mai ISHIKAWA
1
,
Kazunori OHNISHI
1
1前橋赤十字病院皮膚科
1Division of Dermatology, Japanese Red Cross Maebashi Hospital, Maebashi, Japan
キーワード:
腺病性苔癬
,
BCG
,
副反応
,
皮膚結核様病変
Keyword:
腺病性苔癬
,
BCG
,
副反応
,
皮膚結核様病変
pp.437-440
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206077
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要約 9か月,男児.初診2か月前に顔面に皮疹を自覚し,1か月前に四肢にも拡大した.当科初診時には全身状態は良好,顔面や四肢に粟粒大から大豆大までの紅色丘疹が多発し,多くは中央に鱗屑,痂皮を付す臍窩を有していた.下腿丘疹から実施した皮膚生検では真皮の毛包部に一致して,角栓様の角化があり,真皮には多核巨細胞を含む炎症細胞が浸潤し類上皮肉芽腫を形成していた.PAS染色で真菌要素はなく,Ziehl-Neelsen染色でも菌体は染色されなかった.皮疹出現1か月前の生後6か月時にBCG(Bacille de Calmette et Guérin)を接種を受けており,BCG接種に伴う腺病性苔癬と診断した.1か月後に皮疹は自然消退した.近年,BCG接種に伴う皮膚結核様病変の報告が増加しつつあるが,腺病性苔癬は比較的稀な病型である.BCG接種歴を聴取することが診断に重要であり,副反応の存在を念頭に置き診察をすることが必要である.
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