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特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
2 皮膚疾患の病態
表皮バリア破壊による皮膚免疫の変調
Irrevularity of skin immune reaction by epidermal barrier disruption
西島 貴史
1
Takafumi NISHIJIMA
1
1花王(株)生物科学研究所
1Kao Corporation Biological Science Laboratories
キーワード:
皮膚バリア
,
ランゲルハンス細胞
,
表面抗原
,
ETAF活性
,
接触過敏反応
Keyword:
皮膚バリア
,
ランゲルハンス細胞
,
表面抗原
,
ETAF活性
,
接触過敏反応
pp.47-52
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902168
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皮膚の急性のバリア破壊が皮膚免疫に引き起こす影響を,マウス接触過敏反応の惹起前に耳翼の皮膚バリアを破壊する系で検討した.アセトン払拭法での脂質除去によるバリア破壊とテープストリッピングによる物理的バリア破壊を惹起前に施行し耳翼腫脹反応の増強することを明らかにした.皮膚バリアの破壊によりハプテン浸透量の増加だけでなく,表皮細胞の感作T細胞刺激能が亢進していた.表皮細胞の表面抗原解析により,バリア破壊によりランゲルハンス細胞のMHCクラスIIとICAM−1,B7-2発現量が増加していた.表皮細胞の産生するETAF活性を測定すると,バリア破壊をした表皮細胞では産生量が増加しており,その活性はIL−1αとTNF—αからなっていると考えられた.よって皮膚バリア破壊により表皮内のサイトカイン産生量が増加し,ランゲルハンス細胞が成熟するため耳翼腫脹反応が増強されることが示された.
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