Japanese
English
特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
2 皮膚疾患の病態
アトピー性皮膚炎モデルマウス
A mouse model for atopic dermatitis
松田 浩珍
1,2
,
紺野 克彦
1
Hiroshi MATSUDA
1,2
,
Katsuhiko KONNO
1
1東京農工大学農学部
2東京農工大学農学部附属家畜病院
1Faculty of Agriculture, Tokyo University of Agriculture and Technology
キーワード:
環境因子
,
マスト細胞
,
アトピー性皮膚炎
,
IL−4
Keyword:
環境因子
,
マスト細胞
,
アトピー性皮膚炎
,
IL−4
pp.41-45
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902167
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
アトピー性皮膚炎(atopic dematitis,以下AD)は,小児に好発し現在もなお増加傾向にある難治性の慢性皮膚疾患である.その発症には遺伝的関与だけでなく,環境因子もまた深く影響していることが指摘されている.しかし,詳細な病因は未だ不明のままであり,病態解明と根治療法の確立には,本疾患のモデル動物の開発は必須と考えられる.我々は,NC/Ngaマウスが,いわゆるconventiona工環境下において,臨床上,ADに酷似した皮膚炎を自然発症することを突き止めた.血漿total IgE値は,皮膚炎の発症とその病状の悪化に比例しながら上昇した.皮膚病変部では,表皮の過形成,マスト細胞の増加と活性化,好酸球の浸潤と活性化,リンパ球およびマクロファージの浸潤などが認められ,ADの所見とほぼ同じであることが判明した.すなわち,NC/Ngaマウスは少なくとも高IgE血症を伴うADのモデルとなり得ると考えられる.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.