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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
1 最近話題の疾患
アスピリン不耐症
Aspirin intolerance
三家 薫
1
,
堀尾 武
1
Kaoru MITSUYA
1
,
Takeshi HORIO
1
1関西医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
キーワード:
アスピリン不耐症
,
喘息
,
蕁麻疹
,
アラキドン酸カスケード
Keyword:
アスピリン不耐症
,
喘息
,
蕁麻疹
,
アラキドン酸カスケード
pp.21-25
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901835
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アスピリン不耐症は,アスピリンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の摂取により,蕁麻疹,血管浮腫,喘息などを生じ,時にはアナフィラキシーショック類似の症状を呈する注意を要する疾患である.症状はI型アレルギーによく似ているが,NSAIDsの持つシクロオキシゲナーゼ阻害作用がその発症に関係していると推測されており,非アレルギー性の疾患と考えられている.また,食物に含まれるサリチル酸化合物や色素であるタートラジン,防腐剤である安息香酸ナトリウムやパラベンなどによっても症状が誘発されることがあり,発症のメカニズムには不明な点が多い.我々はNSAIDsの経口摂取により喘息を生じた1例と喘息と蕁麻疹を生じた1例を経験した.2症例とも誘発の前後で血中プロスタグランディン,ロイコトリエン,ヒスタミンを測定したが,特別な変化はみられなかった.この2症例に文献的考察を加え,アスピリン不耐症の発症機序について考察を加える.
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