Japanese
English
症例報告
アニサキスによる蕁麻疹を合併し,自己血清皮内反応陽性を示したアスピリン不耐症の1例
A case of aspirin intolerance with anisakis-induced urticaria and positive intradermal test with autologous serum
小野 竜輔
1
,
奥窪 美佳
1
,
福永 淳
1
,
倉田 晴子
1
,
堀川 達弥
1
,
市橋 正光
1
Ryusuke ONO
1
,
Mika OKUKUBO
1
,
Atsushi FUKUNAGA
1
,
Haruko KURATA
1
,
Tatsuya HORIKAWA
1
,
Masamitsu ICHIHASHI
1
1神戸大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Kobe University School of Medicine
キーワード:
アスピリン不耐症
,
アニサキス蕁麻疹
,
慢性蕁麻疹
,
ロイコトリエン拮抗薬
Keyword:
アスピリン不耐症
,
アニサキス蕁麻疹
,
慢性蕁麻疹
,
ロイコトリエン拮抗薬
pp.920-923
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100820
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61歳,男性.サバ,総合感冒薬,ボルタレンSR(R)にて蕁麻疹出現の既往あり.2000年5月頃より特に誘因なく頭部・四肢・躯幹に膨疹が出現.アニサキススクラッチテスト陽性,自己血清皮内テスト陽性.誘発試験ではアスピリンおよびほかの非ステロイド系抗炎症薬や色素・保存料で膨疹が出現.アスピリン不耐症と診断し,オノン(R)の内服を開始したところ膨疹は軽快傾向を示したものの軽度持続したため,食事からアニサキスを含む可能性のある食品および色素・保存料を含む食品を除去したところ蕁麻疹は軽快した.自験例はアニサキスと自己血清に対する蕁麻疹を合併し,アスピリンおよび色素・保存料がそれらを助長したと考えられた.最近,食物依存性運動誘発性アナフィラキシーでアスピリン内服により食物依存性に起こる発作が引き起こされることが報告されており,自験例においても肥満細胞からの脱顆粒の閾値を低下させる可能性が示唆された.
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