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特集 最近のトピックス1996 Clinical Dermatology 1996
1 最近話題の疾患
IgA水疱性皮膚症
IgA bullous diseases
橋本 隆
1
Takashi HASHIMOTO
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
IgA
,
基底膜
,
自己抗体
,
表皮細胞
,
天疱瘡
Keyword:
IgA
,
基底膜
,
自己抗体
,
表皮細胞
,
天疱瘡
pp.27-31
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901836
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最近,IgA抗体を示す自己免疫性水疱性皮膚疾患について研究が進みその抗原物質も明らかとなってきた.線状IgA水疱性皮膚症血清は未知の97kD蛋白ないしVII型コラーゲンと反応する.多くの瘢痕性類天疱瘡血清中に180kD類天疱瘡抗原と反応するIgG, IgAが見いだされ,眼粘膜瘢痕性類天疱瘡血清中には未知の45kD蛋白と反応するIgA抗体が存在する.私どもはIgA抗表皮細胞間抗体を有する症例にintercellular IgA vesiculopustular dermatosis(IAVPD)という名称を提唱した.IAVPDにはIEN型とSPD型の2種の亜型が存在する.これ以外にもIgGとIgAの両方の抗基底膜部抗体を有する線状IgA/IgG水疱性皮膚症,また,IgGとIgAの表皮細胞間抗体を同時に有する症例も報告されているが,これらの疾患の独立性は確立されていない.今後,自己抗原の生化学的解析がIgA水疱性皮膚症の分類・診断に大きな進歩をもたらすことが期待される.
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