Japanese
English
症例報告
乳癌の皮膚転移における電顕的検討
Ultrastructural study of skin metastasis from breast carcinoma
篭浦 正順
1
,
諸橋 正昭
1
Masayori KAGOURA
1
,
Masaaki MOROHASHI
1
1富山医科薬科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
乳癌
,
皮膚転移
,
電顕的観察
Keyword:
乳癌
,
皮膚転移
,
電顕的観察
pp.159-162
発行日 1996年2月1日
Published Date 1996/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901774
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72歳,女性.1988年に乳癌の手術.初診約1年前より,右前胸部に紅斑出現.徐々に拡大してきたため当科を受診.病理組織学的には明らかな管腔形成像はなく,膠原線維束に取り囲まれるように充実性あるいは索状に大型の核とエオジン好性の細胞質を有する腫瘍細胞が増殖していた.電顕的には,腫瘍細胞の核には切れ込みがみられ,偏在していた.細胞質には大小多数の空胞が認められ,巨大な自己貪食空胞も認められた.ミトコンドリアや粗面小胞体などの細胞小器官の発育は比較的良好であった.細胞表面には微絨毛が認められた.病理組織学的には,ductal carcinomaのscirrhous typeであったが,電顕的には,むしろmucinous carcinomaあるいはlobular carci-nomaの特徴を有し,興味ある所見と思われた.
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