Japanese
English
原著
Solid-Cystic Hidradenomaの電顕的検討
An Ultrastructural Study of a Solid-Cystic Hidradenoma
藤山 純一
1,4
,
内平 孝雄
1
,
亀井 敏昭
2
,
麻上 千鳥
3
Junichi FUJIYAMA
1,4
,
Takao UCHIHIRA
1
,
Toshiaki KAMEI
2
,
Chidori ASAGAMI
3
1山口県立中央病院皮膚科
2山口県立中央病院病理科
3山口大学医学部皮膚科学教室
4光市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Yamaguchi Central Hospital
2Division of Pathology, Yamaguchi Central Hospital
3Department of Dermatology, Yamaguchi University School of Medicine
キーワード:
solid-cystic hidradenoma
,
電顕的観察
,
clear cell
,
エックリン汗腺
Keyword:
solid-cystic hidradenoma
,
電顕的観察
,
clear cell
,
エックリン汗腺
pp.117-122
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900541
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44歳,女子.初診の3年前より右腰部に存在する一部嚢腫状の皮下腫瘤.光顕所見:真皮から皮下組織にかけて,充実性腫瘍巣と単房性嚢腫からなる腫瘍が存在.腫瘍細胞の大部分は,楕円形核と紡錘形ないし多角形の胞体を有する細胞で,一部に胞体が空胞状に明るく見えるいわゆるclear cellも混在.充実性腫瘍巣には大小の管腔が認められ,管腔は類円形核を持つ1層の立方形細胞で囲まれていた.嚢腫壁の一部は,嚢腫腔に面する1層の扁平な細胞で覆われていた.電顕所見:管腔に面する立方形細胞や嚢腫腔に面する扁平な細胞はいずれも低電子密度の核を有し,管腔や嚢腫腔に面して多数の微絨毛が存在し細胞質内には明調な分泌顆粒が認められた.これらの細胞に連続する数層の細胞は,高電子密度の核を有し,細胞質内には豊富なグリコーゲン顆粒が認められた.腫瘍細胞の電顕的特徴から,自験例はエックリン汗腺曲導管部ないし分泌部に由来すると考えられた.
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