Japanese
English
原著
悪性線維性組織球腫の電顕的検討
An Electron Microscopic Study of Malignant Fibrous Histiocytoma
宮入 宏之
1
,
諸橋 正昭
1
Hiroyuki MIYAIRI
1
,
Masaaki MOROHASHI
1
1富山医科薬科大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
pp.767-774
発行日 1984年8月1日
Published Date 1984/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203099
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悪性線維性組織球腫の電顕的観察を行なった,腫瘍は多種類の細胞より構成され,線維芽細胞様細胞,組織球様細胞,未分化間葉細胞,多核巨細胞,黄色腫細胞,平滑筋細胞様細胞などが認められた.これら腫瘍細胞の大部分は前2者の細胞により占められていた.組織発生に関しては,多分化能を有する未分化間葉細胞に本症は由来し,これらの細胞から腫瘍細胞が分化して本症が発症すると推測された.特異的な電顕所見として,トノフィラメント様物質が線維芽細胞様細胞内に認められた,これらのトノフィラメント様物質は腫瘍性の性格を有する代謝の活発な線維芽細胞様細胞で観察された.このような異常な線維性蛋白は,これらの細胞によって生合成されるものと考えた.
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