Japanese
English
原著
Cole-Engman症候群—電顕的観察
Cole-Engman Syndrome: Observation with Electronmicroscopy
篭浦 正順
1
,
諸橋 正昭
1
Masayori KAGOURA
1
,
Masaaki MOROHASHI
1
1富山医科薬科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Toyama Medical and Pharmaceutical University
キーワード:
Cole-Engman症候群
,
電顕
Keyword:
Cole-Engman症候群
,
電顕
pp.623-628
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900673
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Cole-Engman症候群を電顕的に検討した.臨床的には,顔面,体幹,四肢に網目状の色素沈着が認められ,一部poikilodermaを呈していた.また爪甲の萎縮性変化と,口腔粘膜の白色角化局面が認められ,定型的な症例と考えられた.病理組織学的には,表皮の萎縮とrete ridgeの消失,表皮真皮境界部に裂隙形成が認められた.電顕的には基底板の上方に空胞が認められた.その空胞は表皮基底細胞と連続性を持ち,基底細胞はtonofibrilが減少しており,基底細胞の変性,空胞化と考えられた.基底板は多層化が認められ,表皮の変化による2次的なものと考えられた.電顕的に見られた空胞は表皮真皮境界部の裂隙に一致すると思われ,断続的に基底細胞の変性が起こる結果として表皮の萎縮,rete ridgeの消失が認められ,皮膚の菲薄化につながると考えられた.
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