Japanese
English
今月の症例
ブシラミンとD—ペニシラミンにより誘発された爪甲の変化
Nail changes induced by bucillamine and D-penicillamine
吉野 博子
1
,
池田 美智子
1
,
南光 弘子
1
Hiroko YOSHINO
1
,
Michiko IKEDA
1
,
Hiroko NANKO
1
1東京厚生年金病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Koseinenkin Hospital
キーワード:
ブシラミン
,
D—ペニシラミン
,
爪甲変化
Keyword:
ブシラミン
,
D—ペニシラミン
,
爪甲変化
pp.509-512
発行日 1995年6月1日
Published Date 1995/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901567
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症例は55歳女性.53歳で関節リウマチの診断を受け,ブシラミン(リマチル®)が開始されたが,約8カ月服用した頃より(服用総量約50g)黄色爪が認められた.D—ペニシラミン(メタルカプターゼ®)に変更され,2カ月服用した頃より(総量約6g)爪半月の消失,著明な爪甲肥厚をきたした.服薬中止後,色調,形状ともに正常と思われる爪がみられ,爪の変化にブシラミンとD—ペニシラミンが関与したものと考えた.患者異常爪のX線元素分析における硫黄含有量は,薬剤中止後の回復爪に比較し,D—ペニシラミンおよびブシラミン服用時ともに,明らかに増加していた.両薬剤の持つSH基あるいはシステインが,爪甲のhard keratin合成に影響を及ぼし,おのおの特徴ある爪の変化を惹起した可能性が示唆された.
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