Japanese
English
特集 最近のトピックス Clinical Dermatology 1994
III 新しい検査法と診断法
ファンギフローラYによる真菌の染色
Pathogenic fungi in tissue and clinical material delineated by Fungiflora Y, a non-specific fluorescent staining
松田 哲男
1
,
濱田 学
1
,
太田 浩平
1
,
堀 嘉昭
1
,
松本 忠彦
2
Tetsuo MATSUDA
1
,
Manabu HAMADA
1
,
Kohei OTA
1
,
Yoshiaki MORI
1
,
Tadahiko MATSUMOTO
2
1九州大学医学部皮膚科教室
2東芝病院皮膚科
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Kyushu University
2Department of Dermatology, Toshiba Hospital
キーワード:
ファンギフローラY
,
組織内菌要素
,
深在性真菌症
,
真菌症の迅速診断
Keyword:
ファンギフローラY
,
組織内菌要素
,
深在性真菌症
,
真菌症の迅速診断
pp.99-103
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901201
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近年その増加が著しい日和見真菌感染症は早期診断が困難であることが知られている.ファンギフローラYは直接塗沫標本などの臨床材料や病理組織切片内の真菌を検出する目的で開発された蛍光染色液キットであり,真菌の細胞壁の多糖類,キチンやセルロースなどに高い親和性を示す.我々は蛍光染色液の有用性を検討するため病理組織標本,鱗屑などの臨床材料,および真菌の掻き取り標本とスライドカルチャー標本を用いて真菌の染色を試みた.いずれの材料においても菌要素はファンギフローラYにより鮮明に描出された.手技は従来の染色より簡単で所要時間も短い.ファンギフローラYによって原因菌は分類学的位置に関係なく幅広く検出されるが,組織内の真菌の同定には利用できない.菌要素を容易に検出する方法の一つとして真菌症の確定診断に有用であると考えられた.
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