Japanese
English
症例報告
抗Borrelia burgdorferi抗体価が高値を示した限局性強皮症の2例
Two cases of localized scleroderma with high titer of anti-Borrelia burgdolferi antibodies
高橋 慎一
1,2
,
多島 新吾
1
,
西川 武二
1
Shin-ichi TAKAHASHI
1,2
,
Shingo TAJIMA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
2東京歯科大学市川総合病院皮膚科
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
限局性強皮症
,
ボレリア
,
抗核抗体
Keyword:
限局性強皮症
,
ボレリア
,
抗核抗体
pp.805-807
発行日 1996年9月1日
Published Date 1996/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901973
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抗Borrelia burgdooferi抗体価が高値を示した限局性強皮症の2例(症例1:下肢の線状強皮症,症例2:汎発性斑状強皮症)を経験した.症例1では,経口ペニシリン製剤投与3ヵ月行ったが,抗体価はIgG, IgMとも高値のままで,その後も右下肢の硬化・萎縮が進行し,発症9年後に右外反扁平足となった.症例2においても,経口ペニシリン製剤投与5ヵ月行ったが,IgG,IgM抗体価は高値のままであった.皮膚硬化は徐々に軽快傾向にはあったが,ペニシリンの効果というより,むしろ自然経過による変化と考えられた.これら2例においてB.bnrgdoiferi感染はなかったと考えられ,2症例とも抗核抗体陽性であることから,自己抗体の交叉反応により抗B.burgdoiferi抗体価が高値を示したものと推測された.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.