Japanese
English
症例報告
幼児の虫垂炎術後に生じた脂肪肉芽腫
Lipogranuloma of the Abdominal Wall Developing after Appendectomy in a Child
浅越 健治
1
,
妹尾 明美
1
,
荒川 謙三
1
,
荒田 次郎
1
Kenji ASAGOE
1
,
Akemi SENO
1
,
Kenzo ARAKAWA
1
,
Jiro ARATA
1
1岡山大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
キーワード:
急性虫垂炎
,
脂肪肉芽腫
Keyword:
急性虫垂炎
,
脂肪肉芽腫
pp.1223-1225
発行日 1993年12月1日
Published Date 1993/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901078
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4歳,女児.急性虫垂炎術後に発熱と同時に下腹部,両季肋部に発赤・圧痛のある皮下硬結が出現した.抗生剤投与で炎症所見は改善したが下腹部に索状硬結が残存し,同部に波動を触れたため穿刺したが排膿はなかった.穿刺部より黄紅色・肉芽様軟腫瘤が隆起拡大したため当科を受診した.血清アミラーゼ,リパーゼ値は正常.組織所見では好中球,組織球,リンパ球を中心とする多彩で密な細胞浸潤がみられ,巨細胞の出現,脂肪融解の像も認められた.外科的に全摘出し,その後再発は認めていない.虫垂炎もしくは手術と関連した脂肪織炎,およびその結果としての脂肪肉芽腫と診断したが,原因を特定することはできなかった.外科的手術に関連した脂肪肉芽腫について考察した.
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